トーマツのベテラン会計士が米国基準と日本基準の「一般的には知られていないが、重要な影響が出る可能性のある差異を中心に説明」しています。
筆者の現状認識は前書きにあらわれています。
「会計基準のコンバージェンスという世界的な動きの中、日本基準はすでに米国基準やIFRSと肩を並べる遜色のない基準になったとの認識を持っている方がおられるであろう。日本では多くの基準が新たに設定されてきたことから、概観的にはその認識は正しいといえるかもしれない。しかし、基本的な方針ではなく、運用面等においてまだまだ多くの差異が存在していることも事実である。」
この論文では、具体的な差異項目として以下のもの(すべての差異ではないとことわっています)を挙げています(うち主なものを抜粋)。
1.有価証券の一時的でない減損の判定
一般的には米国基準の方がより厳しく、減損の可能性が高いそうです。
2.繰延税金資産の評価
米国基準のもとでは、繰越欠損金に繰延税金資産を計上することはかなり難しい。逆に、スケジューリング不能な将来減算一時差異について税効果を認識しないということはないためスケジューリング不能であっても繰延税金資産は計上される。
3.収益の認識基準
米国基準ではSECの規則により、検収の権利を顧客が持っている場合には、検収の終了までは収益の認識はできない。その他、ソフトウェア、複数の商品・サービスを提供する場合について詳細な基準が米国基準にはある。
4.廃止事業の表示
米国基準では、年度間比較を重視し、廃止事業の損益を当年度だけでなく過年度についても遡及的に区分表示する。しかも、現行の基準では、日本では廃止事業の表示に関する基準自体がない。
5.企業結合におけるパーチェス法での無形固定資産の取扱い
パーチェス法を適用すれば日米の差異はないのかといえば、そうではなく、米国基準では、被買収企業で資産計上されていない無形資産も、買収時には時価による計上が強制される。これにより「顧客リスト」、「販売権」、「利用権」などが計上されている。
6.のれんの償却
米国基準では、最低年1回の減損テストを要求。日本基準ではのれんの償却と
減損テストの両方が必要。(これはよく知られている相違点です。)
5と6の関係で、米国子会社を経由して投資した場合と、日本の親会社(又は国内の子会社)が直接投資した場合で、無形資産とのれんの償却年数の違いによる連結損益の差異が生じることが指摘されています。
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Monday, October 23, 2006
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