Monday, September 18, 2006

経営財務18.9.11号 リース試案の意義と影響(第2回)

企業会計基準委員会のリース会計基準改正試案の解説の2回目です(井上雅彦稿)。

この回は、税務との関係について細かくふれています。

リース基準が改正され例外処理がなくなった場合、それに合わせてリースに関する税制が改正される可能性があります(業界団体は反対していますが)。そうなった場合の借り手側と貸し手側の影響についてもふれています。

それによると、借り手側では「全額早期損金算入メリットの喪失」が生じ、貸し手側では「減価償却費の計上による損金算入メリットの喪失」と「金利収入の低減による早期益金算入デメリット」が生じるとのことです。

たしかに、貸し手側については、従来の処理では、リース収入は毎月定額であるのに対し、リース資産を固定資産として定率法償却していれば、収入と比べて損金計上を早期に行うことができたのが、新基準ではできなくなります。また、売買処理を行うということは貸付金として扱うということですから、金利収入は残高が大きいリース期間初期では大きく、リース期間の経過に応じて逓減していくので、税金はリース期間の初めの方で多く払うことになります。したがって、貸し手側の税務メリットが減ることは否定できません。

しかし、借り手側は、解説とはちがって、逆にメリットの方が大きい場合があるのではないでしょうか。貸し手側の裏返しの処理になるわけですから、借り手側で固定資産に計上して定率法で償却すればリース料を毎月定額で損金算入するよりは早期に損金算入できる可能性があります(リース期間と耐用年数の関係にもよりますが)。また、リース債務のうちの利息部分は、支払利息として損金算入されるので、今までより早期に損金算入できます。解説では、95%までしか償却できないから不利だといっていますが、リース期間が満了になりリース資産がなくなってしまえば当然その時点の簿価は損金になるわけですので、定率法による早期償却メリットと合わせて考えれば、メリットの方が大きいと考えられます。

もちろん、貸し手側で税務メリットが失われる分、リース料が高くなる可能性はありますが、借り手側で新たに生じる税務メリットと相殺される性質のものなので、大きな影響はないでしょう。

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