Sunday, September 10, 2006

経営財務18.9.4号 退職給付債務計算の構造的欠陥について

退職給付債務の年金幹事会社への計算委託の問題点を指摘した論文。PBOソリューションズというコンサル会社の社長が書いています(山口光男稿)。

この論文では、不正確な計算による企業損益への影響について、約500社を検証した実績から「昇給率、退職率の基礎率によって80%程度の企業で10%前後の債務の過大評価があり、期間配分の方法、転がし計算の有無等によって±25%の巨額のブレが発生する」といっています。

また、年金幹事会社が、「(1)PBO計算の専用ソフトを持っていない、(2)決算日現在の人事データを持っていない、(3)多数の納期が集中している等、受託者サイド事情を背景に、年金数理人の専権業務といった解釈の下、計算プロセスの検証資料は一切非開示との方針を採用」しているため、「企業の説明責任、監査法人の監査責任が共に果たせない結果となった」と批判しています。

たしかに、非常に重要な項目であるにもかかわらず、退職給付債務の計算がブラックボックスになっていることは否定できません。退職給付債務の計算は財務報告のための重要なプロセスですから、筆者が主張するように、内部統制の評価や監査を十分に行うためにも、改善が必要でしょう。

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