Sunday, November 27, 2005

週刊エコノミスト 2005.11.29号

◆楽天の焦り 監査法人が「NO」を突きつけたM&A成長戦略

楽天ののれんの会計処理を取り上げた記事です。

内容については「企業財務記事ウォッチャー」に何回か書いてきたことと大きな違いはありませんが、楽天の「三木谷社長は「ある自民党の有力政治家に一括償却を認めるよう頼み込んだ」(関係者)とされる」という箇所が引っかかりました。

この有力政治家と同じ人物かどうかはわかりませんが、経営財務の17.11.21号に、自民党の塩崎恭久議員がASBJの適用指針案に対してコメントを寄せたという記事がありました(MINIファイル「のれんと減損」)。

このコメントでは、「のれんの規則的な償却を行うという基準の考え方は維持したとしても、企業結合年度末(初年度)に、全額減損処理を行えることを明確化すべき」といっています。

しかし、きちんとデューデリもやり、買収後の計画も立てたうえで、企業買収を行ったはずなのに、初年度から減損ということが、あり得るのでしょうか。また、減損処理は一定の条件に当てはまれば必ず行わなければならない処理です。「減損処理を行える」と会社が任意に処理できるようにいうのも間違っています。

このようなコメントは、当然拒否すべきだと思いますが、ASBJはなぜかこのコメントを受けて適用指針に文言を追加するようです。

これは、会計基準を政治利権化する動きなのでしょうか。また、このような圧力にやすやすと屈するASBJも情けないとしかいいようがありません。

なお、エコノミストの記事では、のれんの償却が税金対策の一面があったと書いていますが、これはおそらく間違いでしょう。のれんは、連結財務諸表でしか計上されず、その償却費も損金にはならないからです。むしろ、個別財務諸表で、子会社株式の金額に含まれるのれん相当額の評価減をしていないことの方が問題です(個別と連結で首尾一貫していない)。

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