Tuesday, October 04, 2005

経営財務H17.10.3号

◆ASBJ、自己新株予約権等の会計処理案を公表へ

会社法の制定に伴い、ASBJでは、新株予約権と新株予約権付社債の会計処理(実務上の取扱い)を、近く公表するようです。特に、自己新株予約権に関する会計処理を新たに定めるとのことです。

記事によると、自己新株予約権を取得した場合には、「時価+付随費用」で記帳し、純資産の部の「新株予約権」から控除します。そして、消却または処分したときに、発行価額との差額を損益に計上することになっています。

自己株式の場合、その取得と処分は、資本の払い戻しと新たな増資であるという考え方で、損益を全く通さずに、会計処理されます。一方、自己新株予約権の場合、取得は、自己株式と同じように、純資産からのマイナスですが、処分については、損益勘定を通すという処理になります。以前の連結財務諸表における自己株式の扱いで、貸借対照表では資本からマイナスにしていたのに、処分差額については、損益を通していたのと同じように、ちぐはぐな感じがします。

特に、消却した時点で損益を認識するというのは、何ら経済的な実態が変わらないのに、企業内部の法的な手続だけで損益を認識することになり、非常に違和感があります。

これを解決するためには、自己新株予約権を取得したときに、損益を認識すればよいと思います。社債の期日前償還の処理と同じような処理になります。自己新株予約権の売却は、新たな新株予約権の発行と考え、損益は認識しません。

もっといいのは、新株予約権の発行そのものを資本取引と位置づけることです。そうすれば、自己新株予約権の取得と処分からは、損益は生じないことになります。

◆棚卸資産の評価基準の論点整理を公表へ

ASBJでは、10月中旬に棚卸資産の評価基準に関する論点整理を公表するようです。記事によれば、低価法の強制適用化は避けて通れない流れのようです。

記事では、論点整理で取り上げられる論点を示して、そのうちのいくつかについて簡単に説明しています。そのなかで、気になるのは、「収益性」という言葉で、論点整理しようとしている点です。

こういった使う人によって、意味が微妙に異なる用語は、本来避けるべきでしょう。おそらく減損基準の前文あたりから借りてきたのでしょうが、固定資産の場合はともかく、棚卸資産の収益性といえば、売却によって得られるキャッシュ・フローの大きさぐらいの意味しかありません。わざわざ、会計士試験の出来の悪い回答のように、大げさな言葉を使う必要はないと思います。結論の背景の中で使う分には、実害がないのですが・・・。

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