Monday, October 16, 2006

週刊東洋経済 2006.10.14号 新たな架空取引疑惑 日本IBMが主導か

IT業界の新たな架空取引疑惑を取り上げた記事です。

問題の取引は、今年3月から4月にかけて契約されたデジタルデザイン(ヘラクレス上場)から日本IBMへの売上で、デジタルデザインによれば日本IBMの官公庁事業部から持ち込まれた厚生労働省向けネットワーク機器の取引とのことです。

仕入先はネットマークス(東証1部上場)で、仕入代金22億9400万円のうち、11億8900万円を支払い済みです。デジタルデザインは仕入額に手数料4400万円を上乗せした金額で日本IBMに請求しましたが、予定の5月になっても支払がなく、結局支払拒否されたそうです。

デジタルデザインのプレスリリースによれば、「日本IBMは支払いの対象物の商流はなく支払いの責任はないものとして支払いを拒否」し、仕入先である「ネットマークスは、そうした取引でも有効であると主張して」いるため、「日本IBMから売買代金の支払を受けることも、ネットマークスから返金を受けることも出来ない状態」とのことです。したがって、最大限、ネットマークスに支払った11億円は損失になる可能性があります。

ネットマークスもその仕入先2社に21億円あまりを支払っているため、デジタルデザインからの入金額を差し引いても、約10億円の損が出る可能性があります。

この東洋経済の記事では、取引の対象物が実在しない架空取引の疑いが強いといっています。

たしかに架空取引の可能性は高いと思いますが、見出しのように日本IBMが主導しているとすると、その動機がよくわかりません。同業者間で架空の売上をぐるぐる回しているといっても、少なくとも間に入っているデジタルデザインやネットマークスの手数料分だけは、どこかの会社が最終的に損失を被ることになるはずです。メディア・リンクス事件の場合は、同社が売上が伸びているように仮装するため、損をかぶってまで架空取引を続けていたわけですが、日本IBMにはそこまでやる理由があるとは思えません。

最終的な売り先が厚生労働省だったという点も気になります。官庁が年度末の予算消化のため機材が納入される前に書類だけそろえて購入したことにした場合には、その書類をもとに架空の売上(好意的に見れば売上の前倒し)を計上するのは比較的簡単かもしれません。

せっかくこの記事で問題提起がなされたのですから、しかるべきところが徹底的に調査すべきでしょう。

デジタルデザインのサイトより
業績に影響を与える可能性のある事象の経過について
業績に影響を与える可能性のある事象の発生について

ネットマークスのサイトより
(訂正)平成18年3月期決算短信(連結)の添付資料の一部訂正について
株式会社デジタルデザインのリリース記事に関する当社の見解について

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